その賃料の根拠、すぐに示せますか?
——オーナー様からの問いに、迷わず即答できているでしょうか。賃料査定を担当者の“勘と相場感”に委ねた結果、提案の質にムラが出てしまう。これは、多くの賃貸管理会社に共通する悩みです。

約6.3万戸を管理する大手・アレップス様は、月間約2,000件もの査定を「会社の基準」へと標準化し、グループ会社をまたいで現場に浸透させました。
本記事では、属人化の解消から、根拠資料づくりの時短、自信を持った賃料交渉までを実現したその歩みを、現場の声とともにご紹介します。

次のような課題をお持ちの方に、とくに読んでいただきたい内容です。

  • 担当者ごとに査定の質・相場感がバラついている(属人化を解消したい)
  • オーナー様への根拠資料作成に時間がかかっている(提案のスピードと説得力を上げたい)
背景

首都圏屈指の管理戸数を誇る企業が、なぜいま「賃料査定の標準化」に踏み切ったのか

約6.3万戸という首都圏屈指の管理戸数を誇るアレップス様。その規模ゆえに、賃料査定は経営と現場をつなぐ重要な業務です。開発・仕入れ、仲介、各支店など複数の部隊が査定を行い、賃貸管理部が「適正かどうか」を確認・承認する
——この承認フローが組織の品質を支えてきました。

ただ、「何を基準に適正と判断するか」は担当者に委ねられており、そこに“伸びしろ”がありました。

「うちの場合は開発や仕入れをする部隊がいくつもあって、支店も含めて査定を賃貸管理部に依頼する。そこが適正かを見て承認したものが進んでいく。ただ、“何を見て適正なのか”がバラバラで、時間もかかっていたんです。」

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課題

「なぜ7万円なの?」に即答できなかった、属人化の壁

導入前にアレップス様が抱えていた課題は、大きく3つに整理できます。

  • 査定基準のバラつき
    開発・仲介・支店から上がってくる査定の根拠が統一されておらず、賃貸管理部での確認に時間を要していました。
  • 相場感の属人化
    担当者ごとに物件への価値観・相場感がまばら。担当エリアが変わると一から相場をキャッチアップする必要があり、そのたびに時間がかかっていました。
  • エビデンス作成の負担
    オーナー様向けの根拠資料は、広告などから事例を拾い集めて作成。1件あたり30分以上かかることも珍しくありませんでした。

「“なぜ7万円なの?” と問われても、“今までの入居も7万円ですから” としか言えない。表を作るだけでも普通に30分はかかっていました。」

属人的な判断は、オーナー様との交渉でも壁になっていました。根拠を示しきれず、将来に向けた賃料の話までは踏み込めないケースもあったそうです。

選定の決め手

数ある査定ツールから、なぜスマサテを選んだのか

数ある査定ツールの中でスマサテを選んだ決め手は、基準を明確に定められることでした。

「賃料がバラバラな情報の中で、中央値がどう取れるかにかなり苦戦していました。それがズバッと出る。要は“基準を決めた”ということですね。査定に基準を設けて正とする、という流れに変えたので、かなりスピードが上がりました。」

もう一つの評価ポイントが、レポートの充実度です。

「統計データを取るのに、レポートも含めてスマサテさんが一番よかった。他社さんだと、レポートのところまであまり手が回っていない感じがしました。」

活用シーン

「一日触らない日はない」——業務に溶け込んだ月2,000件の査定

アレップス様では、月間で約2,000件以上もの査定にスマサテを活用しています。

物件の仕入れのタイミングで賃料を設定し、リーシング担当は退去後の再募集で日々利用。さらに、既存入居者の更新時の賃料見直しや、サブリース物件の募集賃料・保証賃料の根拠づくりまで
——査定が発生するあらゆる場面で、日常的に使われています。

「一日触らない日はないと思います。全員使っていますから。」

更新時の賃料交渉とも、相性が良いといいます。

「更新はとくに分かりやすいですね。エリアによって相場の平均が違えば、適正な賃料も変わってくる。“スマサテの統計では、いまの賃料と相場にこれくらい差があります。だから更新ではこうしましょう”と、オーナー様との話に持っていきやすいんです。」

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導入後の変化

“会社の基準”が、部署を越えた共通言語に

部署間のブレが消えた——担当者次第だった査定の「質」を会社全体で統一

まず大きかったのが、査定の「質」の変化です。

「会社全体で意思決定の質は上がっていると思います。担当者ベースだと物件への相場感がまばらだったのが、会社で“基準”を設けられた。仲介も開発もPMも同じものを使っているので、部署間のブレがなくなりました。」

30分の資料作成が、スマサテのレポートですぐに。生まれた時間を“将来の対話”へ

質に続いて変わったのが、日々の業務にかかる「時間」でした。

「今までは資料の表を作るだけで30分かかっていました。それがスマサテのレポート機能ですぐに出せて、“相場はこうなので、この賃料で提案します”と言える。おかげで、今後の賃料の方針も立てやすくなりました。“上げられるなら退去のタイミングか、更新のタイミングか。更新時に入居者の方へ交渉してみましょうか”——そんなふうにオーナー様と、“2年後が楽しみですね”と将来の話までできるようになったんです。」

「まだ周辺より安いですよ」——根拠が、更新交渉をまとめる

スマサテの客観データは、入居者様やオーナー様とのお話を前に進める“共通言語”として機能しています。
入居者様の更新時には、とくにエビデンスを重視される法人のお客様で効果を発揮します。

「法人様は、求められるエビデンスの量が多いんです。そこで“相場はこれくらいなので、これでもまだ周辺の相場より安いんです。いかがでしょう”と、スマサテのデータでご説明すると、更新の話がまとまるケースが増えました。」

一方、オーナー様との交渉でも、客観データが力を発揮します。
サブリース物件では、募集賃料が適正かの裏付けや、保証賃料の見直しの根拠としても活用。客観データが、オーナー様との交渉の共通言語になっています。

増額提案が前年超え。“いくら上げるか”に、自信が持てる

属人的だった「いくら上げるか」の判断に基準ができたことで、更新・入れ替え時の増額提案を自信を持って行えるように。増額実績は前年同期比でも向上しているとのことです。

組織への浸透

現場の抵抗はゼロ。むしろ「早く使いたい」の声が上がった理由

大規模組織での新ツール導入は、現場の抵抗が課題になりがちです。しかしアレップス様では——

「“明日からこの基準でいくよ” と言っても、“なんでですか” みたいな声は全くない。現場からはむしろ“早く使いたい”という声でした。」

グループ会社をまたいで仲介・開発・管理が同じツールを使うことで、「何を基準にしているのか」という議論そのものが不要になりました。

経営目線でも、導入のハードルは高くありませんでした。現場が抱える非効率を経営も認識しており、「調べて提出する作業が一度で終わる」効率化のメリットは明確だったためです。

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今後の展望

AIの活用で「業務がそこで完結する」未来へ

アレップス様が見据えるのは、賃料査定の先にある業務全体の自動化・高度化です。

「AIなどを活用して、うちの業務自体がそこである程度完結する形にしたい。“2026年10月更新”のように対象が決まっているケースなら、必要なデータも査定結果も、その根拠までまとめて把握できる。一回一回調べる作業がなくなっていく。そんな未来を目指したいんです。」

また効率化で生まれた時間を、オーナー様への寄り添いや、より付加価値の高い業務へ。約6.3万戸を管理する大手だからこそ、「データの標準化」は単なる効率化ではなく、組織の競争力そのものを底上げする取り組みになっています。

「業務に追われるほど、一件一件にかけられる時間は限られてしまう。少し気持ちに余裕が生まれれば、その分しっかりとオーナー様に寄り添える。空いた時間で、もっと付加価値の高いことに挑戦していきたい。」


担当者の経験と勘に頼っていた賃料査定を、「会社の基準」へ。
アレップス様の取り組みは、査定の標準化が業務効率だけでなく、提案力とオーナー様との信頼関係そのものを底上げすることを物語っています。